石丸晴菜さん 山岳地帯の若者の生計手段開発を直接支援
持続的かつ前向きな方法で少数民族の若者たちの自信を高める手助けをしたいという願いから、日本人女性の石丸晴菜さんは定期的にベトナム北部山岳地帯の僻地を訪れ、プラン・インターナショナルのプロジェクト「ハザンとライチャウにおける少数民族の若者の経済開発エンパワーメント強化」に参加した若者の生計活動を直接支援しています。
石丸晴菜さんは2022年にハザン省にやって来ました。ベトナムで働き始めた多くの外国人と同様に、彼女も言葉の違いにとても不安を感じていました。特にコーディネーターとして携わる初めてのプロジェクトで、多くの人と話さなければなりません。さらに、都市部の道路とは異なり、プロジェクトを実施している遠隔地への移動も石丸晴菜さんにとって大きな困難です。しかし、プロジェクト地域で働く同僚たちの誠実な援助と温かい愛情のおかげで、彼女はすぐに適応できました。
2021年3月から2023年4月まで実施されたプラン・インターナショナルのプロジェクト「ハザン省とライチャウ省における少数民族の若者の経済開発エンパワーメントの強化」のコーディネーターとして、石丸晴菜さんとプロジェクトの地域関係者たちは、ハザン省とライチャウ省の少数民族の若者を対象に、畜産と農業において生計を立てるための農業技術研修に焦点を当てました。さらに、世帯収入を増やすことは男性だけではなく、女性も収入を生み出すことができ、さらに年間を通して家族の安定した収入源を確保するために支出を管理して得たお金の使い方を決定できることを女性が理解できるよう、ソフトスキルトレーニングコースを企画しています。
プロジェクトに参加する前、若者たちは自信が無く、オープンマインドではありませんでしたが、プロジェクトに参加してから、より良いコミュニティを構築するために変わろうと決意しました。その中には、精神的にも経済的にも準備が整っていない18歳未満で結婚してしまう少数民族の若者も含まれていました。彼らは後悔と、自分たちの子供たちが同じ困難を経験しないように、自分たちの世代で早婚を終わらせるという決意を表明しました。
石丸晴菜さんは「私はマイさんという若い女性に会いました。初めて会ったとき、言葉の壁でコミュニケーションが難しかっただけでなく、彼女は内気で恥ずかしがり屋で、会話中一度も笑顔を見せませんでした。 6か月後、再び彼女に会ったとき、彼女はすっかり変わっていて、自信に満ちた笑顔を浮かべ、私の質問にはすべてベトナム語で答えてくれました。彼女は、プロジェクトのトレーニングコースに参加したおかげで、今までになかった自信がついたと語っていました」と述べました。
2年間のプロジェクト実施を経て、プラン・インターナショナルが実施したプロジェクト「ハザン省とライチャウ省における少数民族の若者の経済開発エンパワーメントの強化」のスタッフは、石丸晴菜さんとハザン省ーライチャウ省の15~30歳の若者3120人を直接支援し、2995人の若者の世帯収入が年間10%増加するのに貢献しました。
石丸晴菜さんは「このプロジェクトの最大の成果は、若者たちが自信を持ち、自分たちに影響を与えている問題について恐れずに発言できるようになったということだと思います。彼らは、若者も政策の恩恵を受けることができるように政策を改善する方法について地方自治体と話し合う機会がたくさんあります。地方自治体は若者からのフィードバックも考慮します。これにより、ハザン省とライチャウ省の若者たちは、自分たちには地元の可能性を活かして変化を生み出す能力があることに気づきました。それは私がこのプロジェクトに貢献し、もたらした本当に意味のある成果だと思います」と述べました。
文:ガン・ハー
撮影:ヴィエット・クオン/ベトナムフォトジャーナルト資料